舞台「ハムレット」が幕を閉じた。
こんなにも、こんなにも。この幕が閉じなければいいのにと思ったのは久しぶりだ。
こういう感覚、前はいつだったろう。たぶん…ソロコンの時。
私は、「この一度きりのメンバーで過ごす季節」というものに、めっぽう弱いようだ。
私はハムレットの専門家ではないので、評論家みたいな特別な視点で濃厚に良し悪しを語ることはできないけど、一ファンとして、あのシーンのこの台詞の言い方が!とか、そのとき見せる殿下の表情が!とか、細かく言い出したらキリはないし、こういう風に良かったんだと、あらゆる愛の言葉を並べて褒めそやすことは造作もない。
だが大千穐楽を終えた今、そうして部分部分を切り取ってコメントしていくのは何か違う気がして。かと言って、これまで観劇して感じてきたことを一時に述べるための完璧な言葉を、私は知らない。
だからあえて、この溢れる感情を、あまりにも陳腐な「凄かった」の一言に込めてみようと思う。
誰よりも本人が一番驚いたはずの、「外部舞台単独初主演」、それがまさかの「ハムレット」。
プレッシャーなどという一言では表せないほどのとてつもなく大きなものに押しつぶされそうになったことでしょう。
いろいろ言っても風磨くんなら必ずやり遂げることをファンの私たちは知ってるけど、それでもやっぱり心配した。
負けず嫌いの風磨くんは、めちゃくちゃ勉強するんだろうな。めちゃくちゃ稽古しまくるんだろうな。
………痩せるな。蓄えてきた肉、全部削ぎ取れるな。
その幕が上がるまで、毎日そわそわして、毎日震えた。
それだけ、まるで息子の初めての授業参観に行く母親のような気持ちでドキドキハラハラしていたからこそ、実際にハムレットを見事に演じ切る風磨くんが、あまりにも「超ハムレット」で、感動を表す言葉がいまだに見つかっていないのかもしれない。
幕が上がらなかった初日。
そして、完全に公演がなくなってしまった大阪の2公演。
一筋縄ではいかなかったけど、そんな時にも毎回誠実で、泣けるほど優しくて、この人を信じていたいと思わせてくれる若き座長の言葉に救われた。
そして何よりも、このカンパニーの皆さんに囲まれている風磨くんのことが大好きだった。
幼かった風磨くんが、悩んで迷って葛藤して、ようやくSexyZoneという一番素敵な居場所を見つけたとき、私はとても嬉しかった。
でも、風磨くんが一人のお仕事でたくさんの人から愛されるようになって、そうやってできた人との絆はいつもとても温かくて、こんなふうに風磨くんに新しい家族ができていくことも、私は同じくらい嬉しいなと思っているんだ。
だから、舞台ハムレットを通して、風磨くんにとってのもう一つの素敵な居場所ができたことに、何より感謝しているの。
風磨くんを育ててくれた森さん、見守ってくれた松岡さん。
初めてのストレートプレイに命を削って臨む彼を励まし、勇気づけてくれた皆さん。
切磋琢磨し合い、その頑張りを認めてくれた皆さん。
時にいじりいじられ、たくさん可愛がり、慕ってくれた皆さん。
舞台は終わってしまったけれど、これからもずっと仲間でいて欲しい。
「一度きりのメンバー」かもしれないけれど、ずっとずっと家族でいて欲しい。
そしてどうか、SexyZoneの菊池風磨くんのこれからを、見守り続けて欲しい。
風磨くんをハムレットにしてくださって、ありがとうございました。愛してくださって、ありがとうございました。
カンパニーの皆様のご活躍を、これからもできるだけ近くで応援していけたらと思っております。
何はともあれ。
舞台ハムレット完走、本当に本当におめでとうございました!
しばらくは寂しくて、ついエルシノアに想いを馳せてしまうけれど。
この経験を通してますますイイ男になった風磨くんが次に連れてってくれる世界が、私は今から楽しみでもあるのです。